2011年07月08日

カセットプラント ファクトリー通信 vol.0004 バックナンバー 2007/12/24発行


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カセットプラント ファクトリー通信 vol.0004 2007/12/24発行

        
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●目次
  【1】青梅便り(2)
  【2】神戸便り
  【3】今後の活動、展覧会情報


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【1】青梅便り(2)
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青梅で11月3日から開催された『アートプログラム青梅2007「出会いのより
しろ」展』。
それに関連して11月1日(木)2日(金)に行われた展示作業(ワークショップ
形式)について前号に引き続いて山口作子さん(ファクトリー事務局メンバー)
に語っていただきました。


          ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○


アートプログラム青梅2007「出会いのよりしろ」展 続

第5回アートプログラム青梅の開催直前11月1日(木)2日(金)の2日間
でカセットプラントの展示作業がワークショップ形式で行われました。作品の
展示場所となった都立青梅総合高校の講堂は、手入れのゆき届いた様々な種類
の樹々に囲まれて、高校の歴史を伝えるかのようにひっそりとたたずんで建っ
ています。
関貫のついた大きな木製の扉を開けて入ると、薄暗く長い廊下が奥の方まで続
いていて、右手の連続した窓からは樹々の緑がやさしく目にうつります。廊下
の突き当たりには、廊下と同じ形の窓に囲まれた小さな空間に行きつきます。
カセットプラントの展示は、この廊下と小部屋の窓ガラスに設置されることに
なりました。10月にボランティアによる花の乾燥作業などとあわせて、すでに
ピカピカに磨かれた講堂の窓ガラスはカセットプラントが貼られるのを待って
いるかのようでした。
10月、山口はインド、デリーでの展覧会のため、現地で絵画作品の展示と、
カセットプラントのワークショップをおこないました。今年は日印交流年、会場
はニューデリー国立近代美術館でした。青梅の展示が完成すれば、インドと日本
でカセットプラント作品が同時に展示されることになります。すでにニュー
デリー国立近代美術館に展示されたワークショップの写真を見て気がついたのが
窓ガラスの大きさと形。一枚のガラス枠に、カセットケースが縦に4個つみ重
なる格子窓は、おどろいたことに青梅の講堂の同じ大きさのガラス枠でした。
この偶然は、芸術の神様のちょっとしたいたずらでしょうか。

ニューデリーワークショップ、カセットプラント、山口啓介.JPG
ニューデリーのカセットプラント

青梅のカセットプラント 山口啓介
青梅のカセットプラント

そして山口の帰国後、講堂のカセットプラントはボランティアさんのサポートの
もと、アーティストの手によって次々と窓ガラスに貼り付けられてゆきました。

カセットプラント作業 山口啓介

突き当たりの小部屋の中央には、学校からお借りした水槽にカセットプラントを
貼り付けたものを展示。

青梅のカセットプラント 水槽 山口啓介

最後に、講堂のすぐ横にあった藤棚から藤の実(大きな
えんどう豆のような形で、長いつるにぶら下がっている)を、水槽の上からつる
します。藤の実をつるしただけで部屋の空気が一変しました。

青梅のカセットプラント フジ 山口啓介

こうして、11月3日(土)無事オープニングを迎えた「青梅の講堂11月」は、
当日の朝、太陽の光が差し込んでプリズムを作りながらきらきらと輝き、観客を
むかえたのでした。

青梅のカセットプラント  山口啓介

オープニング当日は、アーティストによるレクチャーとワークショップがおこな
われました。ワークショップは講堂の窓に参加者が思いおもいの花をカセットに
詰め、貼り付けてゆきました。
今回この企画は、山口がアートプログラム青梅に参加するにあたって、アーティ
スト自身から「山口啓介+カセットプラント ファクトリー」での共同制作にし
ようと要請があったことから実現しました。内容的にはこれまでのカセットプラ
ント制作とそれほど違いはありませんが、対外的にはファクトリーとしてはじ
めてのアーティストとの共同制作になりました。今後の可能性が開かれると同時
に、カセットプラントファクトリーとして多くの課題も見えた展覧会でもあった
とおもいました。

山口作子



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【2】神戸便り
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11月10日(土)にCAP HOUSE(神戸市)で開催された『オール・アバウト・YAMA
GUCHI Keisuke〜山口啓介さんと過ごす午後』。
当日の様子を、C.A.P.メンバーで今回の企画のホステスを担当された、大野裕子
さん(ファクトリー事務局メンバー)がCAP HOUSEのホームページにレポート
されていますのでご紹介します。

          ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○


今回、山口啓介さんをゲストにお呼びしたのは、長年山口さんの作品を見続け
ていて、そのスタイルの変化、表現の多様性に興味があったからです。

私が初めて作品を見た頃(1990年代初め)、山口さんは大型の版画を制作して
いました。そして画廊で版画とインスタレーションを組み合わせた作品を発表
していました。その後、美しい色彩の花をモチーフとした油彩画のシリーズが
生まれ、さらに《カセットプラント》というインスタレーション作品が出てき
ました。このカセットプラントは、最近ではワークショップとして、作家の手
を離れた形で人々をネットワークする活動に発展してきています。
私は山口さんが2005年に発表した《DU-child(劣化ウランのこどもたち)》と
いう、連作の版画シリーズに大きな衝撃を受けました。それは、日本の現代美
術では珍しく社会問題を正面から扱い、表現された作品でした。

山口さんのスタイルの変化は、時代ごとの美術スタイルの流行とは関係があり
ません。そして美しい植物を描く一方で、とても社会的なテーマを作品にして
発表しています。両極を同時に表現する山口啓介というアーテストの考えると
ころを、いろんな角度から知りたいと思ったのでした。
そこで、画廊時代から山口さんの展覧会をコーディネートしてきた加藤義夫さん
と、やはり画廊で山口さんの展覧会を行ったり、最近はカセットップラントフ
ァクトリーの仕事にも関わっておられる坂上しのぶさんをトークのお相手に迎
えました。

13時からは絵画作品や資料の展示と、カセットプラントのワークショップ
(参加自由・無料)。
心配された空模様でしたが、きれいな秋晴れで、窓に貼り付けたカセットプラ
ントの植物に陽光が美しく透けていました。会場にはCAP HOUSEらしい、の〜
んびりとした時間が流れていい感じでした。

16時からのトークは、休憩をはさんで前半・後半の二部構成。
前半部では、山口さんが展覧会にデビューした89年頃からの逸話を中心に進行。
最初の個展(ヒルサイドギャラリー、1990年)に至った経緯、池田満寿夫さん
との出会いのことなど山口さん自身からのお話。そして、加藤さんからは画廊
や美術館での個展、グループ展での秘話(実名入り)の数々が初めて明かされ
ました。これは、山口さん本人も知らなかったというウラ事情。アートのけも
の道は奥深いのです。また、坂上さんからは山口さんの持つ二つの世界――白
黒で表現される版画の世界と豊かな色彩で表現される花の絵画――から、美術
で表現される「美」について、また社会問題をテーマとして取り組む作家の姿
勢や品性について、熱い想いが語られたのでした。ここでは、山口さんが語っ
た『(自分としては)社会的な問題を(自分なりに消化して)個人的な問題と
して表現するようにしているし、そこに同時代を生きるリアリティが存在す
る』という言葉が、私にはとても印象的でした。

休憩時間にはお茶を飲んだり、資料を見たり、ワークショップをしたり、来た
人同士で話をしたりでクールダウン。

後半部は、ここ10年取り組んでいるという《カセットプラント》と、その作品
からより広がりを目指して今年から始まったワークショップ活動「カセットプ
ラントファクトリー」を中心に、近年の活動についてのトーク。《カセットプ
ラント》は未来への「ノアの箱舟」なのだということなど、いろいろと話が弾
みました。客席の参加者からも多様な意見が飛び出し、現代美術とコレクショ
ンの問題、鑑賞者教育の必要性と困難さなどなど、奥深い話題にそれぞれがマ
イクを奪い合うように熱いトークを展開。予定時間を1時間近くオーバーして
終了したのでした。しかも話が多岐にわたったため、予定していたインド・
ニューデリー国立近代美術館でのグループ展「消失点―日本の現代美術」につ
いての報告に至ることができませんでした。インド報告を楽しみにされていた
方には申し訳ありませんでした。

ともあれ、この機会によって、表現スタイルは何であれ、すべての作品が山口
さんのなかでは明瞭に一貫していることが、私にはよく分かりました。山口さん、
加藤さん、坂上さん、カセットプラントファクトリー事務局の作子さん、
中村さん、ご協力ありがとうございました。
また参加して頂いた多くのみなさんとワークショップやいろんな話も含めて、
とても楽しい午後を過ごせたことに感謝しています。
どうもありがとうございました!

大野裕子



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【3】今後の活動、展覧会情報
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【出版関連】

●「版画芸術」138号 冬号 阿部出版(発売中) 
☆アトリエ・インタビュー「人間を描くように植物を描いてきた」
(聞き手:辺見海)64-69頁。 
http://www.abepublishing.co.jp/

●夜の時代に語るべきこと ソウル発「深夜通信」/徐 京植(ソ・キョンシク)著
毎日新聞 出版
装画 山口啓介「歩く船」/装幀 間村俊一


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カセットプラント ファクトリー関連>>>


山口啓介関連>>>

●『現代絵画の展望』展―それぞれの地平線―
第一会場:「旧新橋停車場 鉄道歴史展示室」
会期:2007年12月8日(土)〜2008年2月11日(月・祝)11:00−18:00 
休館日は月曜(但し、祝祭日は開館、翌日休館)、年末年始
出品作品:「ミミの心臓2」 2007 顔料、自家製樹脂、アクリル、キャンバス 
162x130.3cm

第二会場:「上野駅主面玄関口ガレリア2F・Breakステーションギャラリー」
会期:2007年12月8日(土)〜2008年2月11日(無休)
出品作品:「星花冠2/緑」顔料、樹脂、キャンバス 2005 118.7(H)×80.0(W) cm
 
主催 東京ステーションギャラリー
後援 東日本旅客鉄道会社 (両会場とも 入場料無料)


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●文化庁芸術在外研修制度40周年記念  
「旅」展 ―異文化との出会いそして対話―
会期:2007年12月15日(土)〜2008年1月28日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京・港区)
http://www.nact.jp/
出品作品:「on DU Child」 木版他ミクストメディア 2007 254x200cm

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 編集   カセットプラント ファクトリー通信編集部 
 発行   カセットプラント ファクトリー事務局
お問合せ お問合せ info@cp-factory.sakura.ne.jp


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posted by cpf at 00:26| Comment(0) | ファクトリー通信
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